Kin

スーパーノヴァのKinのネタバレレビュー・内容・結末

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画の2人に自分を取り巻く環境が近すぎて、胸に刺さりまくりで痛かったけど20年一緒のパートナーと勇気を出して一緒に観てよかった。勿論音楽家とか作家では無く市井のオッサンですが。笑

冒頭の車中、メガネのシーンで既に涙が。
どちらも悪気なくすれ違っていく…
既に年老いた私には良くある事。本人はまたメガネを見つけられないことに実は傷ついてて、メガネのあり場所を教えてくれる事でさらに自分で解決できなかったと傷つく。相手は優しさからの行動なのに…

そんな身につまさせれる2人の関係性や行動の切り取りがうまくて切なすぎる。

箱の中身を確認してしまった翌日からサムの左手薬指には今までしてなかった指輪があって決意の程がうかがえる。
そして2人がタスカーの最後の希望について話し合う時、サムの『踊ろうっ』からの駄々っ子の様な行動で出来事を無かったことにしようとする様が見ていて痛いほどに悲しい。それに対してあくまで冷静なトーンで話すタスカーに更なる決意の強さが窺える。

どちらの気持ちも痛いほどにわかる。

そして朝にはサムが箱をテーブルの上にさり気なく置いておく深い愛情。そこからの左手薬指に指輪が光るサムの手のアップからエンディングの演奏へ。ずっと一緒の証。

冒頭の握り合う『手』のアップシーンからラストの鍵盤の上の『手』のアップまで映画全体を通して周りの登場人物も含めて『手』の動きで関係性や心境が読みとれる映像表現素晴らしかった。

自身も病を抱えているので、以下のセリフが凄く理解出来て涙が出た。"薬はもう飲みたくない。飲むたびに自分が病人だと思い知らされる。飲んだところで何も変わらないのに。"…うぇ〜ん…

観ててとても苦しくていたたまれなかった部分が多いけど、色々確認したくて立て続けに2回観たけど観終わった後はなんだか励まされた気がした。この映画に感謝。
Kin

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