どんなカップルにも別れが来る。
コリン・ファースとスタンリー・トゥッチが20年来のカップルを演じる。
スタンリー・トゥッチ演じるタスカーは認知症を発症している。
長閑な田舎の風景をキャンピングカーで移動するふたり。
旅をしながら、コリン・ファース演じるサムの妹の家へ向かっている。
細かな動作や会話の中に、ふたりの信頼関係が伺える。
パートナーを失う時、同性のカップルの方が喪失感が大きいのかもしれない。
共に苦難を乗り越えてきたし、子供もいない分、それぞれの連帯感も結束力も強いだろうと想像する。
病気を患うタスカーよりも、愛する人を支え続けたいと願うサムに悲壮感が漂う。終始不安と悲しみに苛まれているよう。
ラストシーンでは、その後のふたりを想像するしかない。
星は寿命が来て爆発するとき、最後は光り輝くという。
愛のある美しいストーリーだけど、動きの少ない映画で、少し物足りなさを感じてしまった。