とても静かな映画でBGMも控えめ、登場人物が声を荒らげるシーンも極わずか。なのに？だからこそ？人物の心理が最小限の描写とセリフで伝わってくる。特に主演2人の演技力。微妙な表情、仕草が細やかで相手への配慮に溢れている。
男性同士のカップルかつ中高年というのは今はまだ珍しい組み合わせだが、長年連れ添っていてお互いを想いやる気持ちがよく理解できる。男女のカップルと比較すると"親友"としての関係性も捉えることができるのが違いなのかなと。
単に最近の流行りだからゲイの主人公たちということは全くなく、映画内でこと更に強調することはない。周囲の人物の理解も得られている状態で皆 祝福してくれている。
性別や年齢は関係なく、ただ相手を想いやるという普遍的なテーマが主軸にあると思う。人間誰しも最期はあり、その時をどう迎えるか。生きているうちに送るのは酷ではあれど、残された人を想うとベストな選択はなにか…。とても考えさせられる。
超新星爆発、人間の短い一生の中でどう光り輝くのかを見せてくれている。映画としては超新星爆発のような爆発的盛り上がりはないが…余韻に浸れるいい映画だった。
