晴海通り

スーパーノヴァの晴海通りのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
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先日『さよならネ、つねさん。』という、長年連れ添った男性カップルがこのコロナ禍でパートナーを見送る手記を読んだばかりで(ご興味のある方はググってください。ほぼ日のサイトで全文読めます)、いまこの日本という国で、結婚という仕組みを利用できなかった人たちが迎える“死”という離別のリアルなところを垣間見て、思うところがたくさんあった。

その手記は声高に何かを批判することはなく、淡々と起きたことをほぼ時系列で綴っているのですが、それが故により一層愛するパートナーを失った悲しみと、それに伴う様々な事実との有無を言わさぬ直面(警察の人が言う「もし亡くなった方が家の持ち主だったら、即刻退去でしたよ…」などの重さ)が、安易な感想を述べられないくらい胸に残りました。

そのノンフィクションを読んだ後だったために、残念ながらこの作品はちょっと弱いと感じた。周囲の理解もある・社会的に成功もしている・事実を徐々に受け入れる時間的余裕のある緩慢な病…「きれーな映画」止まりかなと。

昨今急激に作品が増えた感のあるLGBTQのジャンルですが、「何を訴えたいのか?見せたいのか?2人が同性愛であることは設定上不可欠か?」が問われる機会が増えるんじゃないかなと思いました。
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