片腕マシンボーイ

なんのちゃんの第二次世界大戦の片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

4.1
特別観たい作品今劇場でやって無いんやが、ま、ちょい気になっていたやつやしこれでいっかぁ、渋めの社会派反戦映画かな?とでも思っていたらば…
いやいや、そんな生易しいもんちゃうかったわ、社会派カルトエンタメ映画であり、ふともも映画でもある、マシンボーイのお胸にドストライクな作品でめちゃ御満悦ぺろぺろ

令和元年、町に平和記念館を建てます!
平成も終わりを迎えようとするころ、市長の清水あきおは戦時中から反戦を唱えてきた104歳の祖父を平和のシンボルに掲げ、関谷市の平和事業を推し進めてきた、しかしある日竹槍を持つ少女像の首と共に、平和記念館の設立に反対する怪文書が市役所に届けられて……、って話

もうな、ババアが包丁片手に暴れ回り、腕白なガキンチョが大活躍し、吹越満が青白い顔でアタフタするだけで最高な映画なんは言わずもがな!おまけに不機嫌な美女の真っ白なふともも!ガメラ以上に侵略者の象徴として活躍するミシシッピアカミミガメ!西山真来の狂気発動!
休みなく訪れる好物の数々に、なかなか2021年の公開作でスコア4点台でなかったんやけども…うん、ついに大台突破よね!バンザイ!バンザイ!バンザイ!

まぁね、もちろん本作は第二次世界大戦を扱った映画であるからね、単なるカルトエンタメ作品やなくてね、戦争のみならず、政治やコロナ関連、もっと些細な問題まで、様々な事柄がSNSやらクチコミサイトやらに踊らされる今の時代やからこそ一層重みを感じるメッセージが込められているんよ!

そうね、上映後に思わずカウンターに走り買ってしまったパンフレットに、平成生まれの監督のメッセージがかかれているんやけどね
「僕が戦争に対して切実に感じること。それは戦争の悲惨さよりも前に、語り手によって事実が簡単に崩れ落ちてしまう恐ろしさだ。」
ってあるんよね、戦争の事を身をもって知る世代が間もなく日本からは消えてなくなる、その後に戦争を知ろうとしても、実際に世界にいまだに数多くある戦地に行くことが嫌ならば、昔の記録を見聞きするしかなくなるわけだが、それは伝言ゲームのように人を介せば介すほどに事実からは離れていく、そしてそこに人為的な改竄が加わると…

そうね、第二次世界大戦まで遡らずとも、もっと最近行われた戦争でさえも、攻撃を加えた国、攻撃を受けた国では主張が違うように、いや何も戦争やなくても、個人の些細な喧嘩であろうと、お互いにお互いの正義の元に争っているワケやし、例え自分に非があるかな?思っても、素直に非を認められないのが人間
さらに今はSNSなんて恐ろしいモノが蔓延しているからば、個人の主張が自由に簡単に行われることにより事実の改竄なんか簡単、歴史なんて思うがままに湾曲出来ちゃう、ホロコーストなんかフィクションだ!南京大虐殺は嘘っぱち!挙句の果てにアメリカでは、1619プロジェクトVS1776委員会!なんて歴史をネタに国家とマスメディアがぶつかり合い!
そうね、所詮は歴史なんて政治や権力の道具でしかないんよね、慰安婦問題が日本と韓国で主張が真反対なんも必然なんよ

そんなこんな歴史の難しさを、ユーモアと狂気でもって描いた本作、少し盛り込みすぎてとっ散らかりを感じなくも無かったが、監督のこういうテーマを表現したい!っつ〜芯がしっかりとあったからば逆に社会派なカルト映画として楽しみながら考えさせられましたよ
そうね、そんなテーマな上に複雑怪奇な作品やからば本作の受け取り方も戦争への解釈同様にたぶん人それぞれで賛否ありそうなもんやが、マシンボーイはめちゃ推していきたい快作として受け取ったよね!
小さな亀に太った亀🎶生きて🎶生きて🎶勝手に死ぬな🎶
ちなみに外来種の亀さんの名前はマッカーサー!やったー!

しかし、今どき市長が部下にあんな暴言吐いたらば…どこぞのサウナ野郎の如くたちまち火だるまやでぇ、ま!殺されかければ暴言も吐くかぁ…二度と亀を語るなぁ!ゲラゲラゲラゲラ、オススメ!