JunichiOoya

なんのちゃんの第二次世界大戦のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

3.0
上映後の挨拶で監督さんが『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』について触れておられた。助監督デビューだったこの映画の撮影時、3.11の影響で郷里岸和田に帰っていて、即参加できないならクビだと言われたと。
若松への触れ方がそれかい! とちょっと出鼻を挫かれた。

監督の河合さんにしてみれば、「太平洋戦争について自分は何も知らなかったし今も知らないまま。であるならば捉え方は色々、その色々を映画にしてみよう」ということだと仰っていたように思う。
それは違うでしょう。それなら思わせぶりに警官のピストル奪って日章旗のど真ん中に穴開けるのはやめておいた方が良いと思うよ。

総花的八方美人は詰まるところ何も言ってないのと同じ。あるいは、ややもすれば言わない方がマシ…。かもしれない。

世代や性別を跨いで何人もの「なんの」が入り混じってすったもんだするところは、私のお気に入り才谷遼『ニッポニアニッポン フクシマ狂詩曲』を思い出させるが、作り手の気持ち、覚悟に揺らぎがある分締まりのない出来に終わってしまったように思う。

あと、特に中盤まで、照明の問題だと思うけどスクリーンが暗く演者の表情は愚かそもそも誰なのかも判別が難しかった。
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