機会があり、鑑賞。
[概要]
『バクラウ』(未見)に似ているという意見も出たという吹越満さん出演のカオスな群像劇。
[あらすじ]
現代を舞台に平和記念館の設立をきっかけに巻き起こる大騒動。混沌を極めていく住人たちのさまざまな信念や理想がぶつかりあって……。
[感想]
クセの強いキャラクターたちが衝突し、思わぬ方向へと進んでいく予測不可能なブラックコメディ。
その内容ゆえに、賛否両論が別れているようだけれど、僕個人としては鑑賞して良かったなと思った。
映画には監督の主張や明確なメッセージ性を期待してしまいがちだけれど、それは、一種、受け手の思考停止に繋がる危険性もあるわけで。
明確な答えを出さずに暴走していく本作は、形はどうであれ、受け手が第二次世界大戦を多面的に考えるきっかけになるため、意義のある作品だと思った。
改竄されていく真実と、人間の記憶そのものの曖昧さ。
普段の生活や現代の社会でも置き換えることが出来る寓話的な内容が、鑑賞後になってジワジワと効いてくる不思議な後味の作品だった。
参考
「世の中の混沌さそのものを映画にしたかった」『なんのちゃんの第二次世界大戦』河合健監督インタビュー | Cinemagical シネマジカル
https://cinemagical.themedia.jp/posts/19203980/
(監督にインタビューしました。監督の映画観はもちろんですが、映画文化が浸透していない地域での上映工夫など、作品を未見の方にも読んでほしい内容です。)
映画「なんのちゃんの第二次世界大戦」・サウンドトラック by 今村左悶 - TuneCore Japan
https://linkco.re/NmPBVncS
(劇中の楽曲がストリーミングサービスで、まさかの配信中。)