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ある用務員のjamのネタバレレビュー・内容・結末

ある用務員(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

男なら言うべき時に言うべきことは言え 
安く見られるぞ

そう言って両頬をぐいんと引っ張ると、
真島は朗らかに笑った
彼は深見にとって父親がわり

殺された深見の父とは
"血よりも濃い絆でむすばれた兄弟"
というその人は、ヤクザだった


真島によって凄腕の暗殺者に育てられた深見は
身分を隠し学校の用務員として
真島の娘、唯を見守っていた


もうひとつの"ヤクザと家族"
とはいえ、こちらはかなりのアクション、バイオレンス路線
どうしても先に観たせいか、綾野剛と舘ひろしの絆の影がちらつき
比ぶべきものでないのはわかっていても
深見と真島に"血よりも濃い絆"を探すけれど

深見にとって真島は育ての親であり
実の親を殺した仇だという悲劇

真実を知り、自らその見せかけの絆を断ち切り
跡目争いに巻き込まれつつ見出したのは
唯の強さ
  

一人で生きていける?

そう問いて唯の両頬をぐいんとひっぱる
その仕草は
断ち切ったはずの真島そのもの



血の絆など軽々と飛び越える 
前野朋哉演ずる本田の怪演はお見事
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