念願の。
名シーンが名シーンたる所以、名曲が名曲たる所以がはっきりと分かった。
正直、聞き取りにくいセリフがあったり話が飛んだりで、途中物語についていけない部分がちらほら。だけどそれを一掃するかのような画と音楽の美しさ。
戦闘シーンはないけど、生々しい俘虜収容所の生活とか、戦局で価値観の正誤が決められる世界の姿は見ていて苦しかった。でもどこかで「美しい」と感じざるを得ない不思議さを持ちながら観終えたような気がする。
ヨノイ大尉とジャック・セリアズの関係は、恋や愛と呼んでしまえば凄く薄っぺらいものになっちゃうけど、でもなんと呼べば良いのかわからない。その「分からなさ」「難しさ」がこの作品には重要なのかな、と自分を納得させてみたり。
挿入曲の「戦場のメリークリスマス」「種を蒔く」。これまで綺麗だな、くらいにしか感じてなかったけど、作品を観てからは彼らの鎮魂歌であるように思えて聴くたびに涙しそうになる。
映画音楽の良さは、やっぱりその映画あってこそなんだなとも。