謎めいた映画で、頭で理解するよりも感情で理解するタイプの映画だと思う。エモーショナルな衝撃を受ければ受けるほどよいのだ。
戦時中の捕虜収容所を舞台に、西洋と日本の衝突を描いている。名誉の死をどう考えるか、服喪をどのようにするべきか、建前のために死ぬべきか否かといったテーマが作中で議論される。
主人公の一人、坂本龍一演じるヨノイ大尉は英語を話せ、西洋と日本の流儀に長けた人物で、両者を架橋できる存在である。それでも捕虜のイギリス人・ローレンスとの考え方の溝は埋まらない。
さらに、ヨノイ大尉の心を乱す人物が現れる。デヴィッド・ボウイ演じる美麗の軍人・ジャック・セリアズだ。彼の美しさに囚われたヨノイはまるで彼を寵愛するような態度を取り、周囲を混乱させる。
ますます混迷していく状況のなか、ヨノイ大尉のために、ビートたけしことハラ軍曹が捨て身で取った行動を取る。そしてジャック・セリアズもまたヨノイを救おうとする……。愛情こそが人を助ける。
それはともかく、トム・コンティの日本語がめちゃくちゃ聞き取りにくい。字幕がほしい。