ラピュタん

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のラピュタんのレビュー・感想・評価

4.5
未だ衰えぬ 香り立つ映画

若かりし二人
DAVID BOWIE と坂本龍一の
美しさは際立って凛としたもの
それらが永遠を得たとき

タケシも良かったです
それがかけがえのない魅力となって
わたしたちに囁くように語りかけてくる

「人と人の憎しみが戦争を引き起こすのではない…
「人が見えないから、見てはならないとされるから、衆愚の極みが起こる」

最果ての地で
彼らは各々の精神性と矜持を胸に
二列になって向き合っている

捕虜を収容する日本軍と
捕虜のイギリス兵士たち

これは当然ホモセクシュアル(描写はない)がテーマではなく、人間が人間に憧れるという摂理を、不条理の鏡の中に浮かび上がらせた
いわば、花瓶に挿されたひまわり🌻

平和への祈りの鐘……🔔……


ニューギニアのトラック諸島でのロケは、
ジュラシックパークの島のよう
鋭い牙の恐竜は出てこず、剣道と切腹がキリリと描かれていた

大島渚が私財を売り払ってでも作ろうとし、ボウイはスクジュールを長く空けながら出演をじっと待ったという大作

哲学的に陥らず、娯楽的でありながらも、堂々たる風格だ
邦画を代表する芸術作品のひとつ


ほとんどのシーンが記憶に刻まれるはず
これは必見でしょう

リバイバル早期に観ていたのに
レヴューが遅れてしまいました…

中学生以上から?
カップルでも家族でも
学生は必修課題となっていました
まだの方は留年を避けるためにどうぞ😌


⭐️キャスティングは当初とは異なり
 緒形拳さんの原も観たかったなあ けれど、
 彼だと滲む優しさが仇となり得たでしょう
 タケシが、はまり役でした

⭐️有名な最後の「メリークリスマス🎄」
 意味深なセリフです!

 異なる宗教と文化にくわえて、堅物だった
 原(タケシ)が、立場が逆転した相手に向かって
 心から祝福するあの一瞬…
 でも、それは不死鳥のように再生する日本を
 予見させる一瞬でもあったのかも知れません

 西洋を呑み込んで発展する未来に放った…🎄🔔✨
 
ラピュタん

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