小さじ

戦場のメリークリスマス 4K 修復版の小さじのレビュー・感想・評価

3.8
映画館最終上映で!戦時中の話、デヴィッドボウイが出てるしか知らないまま観たんだけど、同性愛というかいわゆる同性間クソデカ感情モノだとは思わなかった。
少し説明不足で、前半はビートたけし中心にぼそぼそした台詞回しだから聞き取りづらい部分もあり。メリークリスマスミスターロレンスの音量・かかるポイントが流石でここの加点が大きい。ピアノだけじゃなくバスドラムもしっかり効いてるところがいいなぁ。

セリアズの美しさに一目惚れしてしまったヨノイ、ロレンスと不思議な友情で結ばれたハラ、お互いを見捨てたように庇いあって一緒に死んだカネモトとデヨン。同性愛を育んだのは元々の趣向なのか戦時中極限の状態だったからかはわからないけど、すごく美しいものを見た気分になれた。出会ったのが戦争真っ只中じゃなければ絶対違った形になった人たち…。俳優じゃないアーティストの作り上げる映画が新鮮で、そこも名作になった要因の一つだよね。

ヨノイの目元メイクが黒々していてエキゾチック。情をかけてはいけないましてや惚れるなんて…なセリアズにどうしようもなく惹かれてしまうのが悪魔的というか恋の炎に焼かれているような気がする。自ら死刑宣告をしても絨毯をあげたり形見の髪を切ったり…気持ちが離れられないのが伝わってきて切ない、苦しい。
敗戦して立場が逆転したロレンスとハラは、捕虜と兵士だったはずなのに久しぶりに再会した旧友のようだった。この二人は友達以上恋人未満な特別な友情だと思うけど、最期まで笑顔でいられて良かったと思う。

5/28・6/25・2024/4/14に再々上映にて再観賞
小さじ

小さじ