アン子

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のアン子のレビュー・感想・評価

5.0
【4Kの方がたけしの発音もいいよ】
あまりに有名な作品なので、今まで何度か見ようと試みてはいたのだが。日本軍の発音があまりに聞き取れなくて頓挫してを繰り返していたため、
劇場でやっと観終えた!
4Kの方が発音がすごく良かった笑!

明らかに同性愛の映画として見たい。権威もあり「清き日本男児」として過ごしていたヨモイ大尉に明らかにかっこよすぎるイギリス男子が現れて、ドキドキと日本の戦況悪化、責任感に揺れる…って感じ
ヨモイ大尉の所動は、1部だけならニコニコ動画で祀りあげられそうなものだが、全てを流れで見るとあまりにも切なくて切なくて。
○○の処刑された首に白色の蝶が止まっているのが、ハエが止まっているのと比べて美しくて実際見ている私たちの生活が良くなりますようにと祈っているように見えた。蝿よりは綺麗でいいよな

日本人とは中立であるトムと、誇り高き英国軍人を貫く捕虜長と、ずっと誰かを救おうとし続ける魅惑のデビットボーイと
日本人たちの「敬礼!」などを見よう見まねで真似ているだけの英国軍人たちと、
捕虜に一目惚れをしてしまったが「行(48時間断食して内省)」をする等、部下たちにとても慕われている坂本龍一
日本軍人らしく厳しく取り締まり、チャラチャラした行動もする、目の綺麗なビートたけしと

広告や誰かの評論を聞いて日本の戦争映画の名作だと思っていたが、実際のところはイギリス映画。
デビットボーイと、トム・コンティというハリウッドの大俳優を使っているため、日本人の役者のセリフは少なく、英国軍の捕虜たちの会話中心で、この2人を脇役にするのはできなかったんだろうなぁ。
デビットボーイやトム・コンティが暴行される時、優しく足を乗せたり、見ているこちらからわかるくらい隙間を開けて頬を振ったりしていて笑った。そこに優しさはあるんや。ビッグすぎるのを映画中にでも感じれた。

主要な役のビートたけしと坂本龍一はずぶの素人で、ビートたけしは後でアフレコで台詞を付け加えたほどだったらしい。
坂本龍一も確かに結構演技は下手だと思う。正直。2人ともはっきり発音する役柄ではなく、まるで野球部のようにつなげて、発音する役柄だったため完璧に嫌な方には振り切らなかった。
この作品は海外でも評価されていて、きっと海外の人はデヴィッド・ボウイたちの言葉は字幕抜きで、日本人の言葉は字幕で見るんだろうから、どちらかというと母語ではなく、海外のどこかの言葉遣いと思って観ていた。すると、不思議なことに、軍部らしいおかしな発言や振る舞いをする人々と言うふうに捉えられただけで見終わり、違和感を「おかしな」の中で収めることができた。
よくわからないBGMも正直あった。長ったらしいなぁとか。ただ1番有名なあのBGMはほんとに最高だった。クリスマスのベルのような音がものすごく胸をついてきて、西洋風ではなく、東洋風なような、かといって、上風でもない曲だ。

分かり切れないシーンと目配せが多すぎた。
見ていくうちにじわじわと良くなったため、もっと見直せばじわじわと良くなる気がする。
きっと、何回も見る方がもっと良さがわかるんだろうな。
アン子

アン子