不思議な気分。観る前の印象に大きく裏切られた。演技に違和感があるし台詞も所々聞こえないのに、心で伝わる何か。心以上に伝わることない何か。
当時の日本と欧州の価値観の大きな溝。日本の恥と死への美徳。捕虜である彼らがこの異様さを客観的にわかりやすく言葉にしてくれるとなるほどなと思う。「彼らは過去に生きてる。」溝はありながらも人間本来が持つどこか隣人愛の、ピースフルな相互作用がこの友情とも愛情ともとりきれない関係を生んだなと思う。
良くも悪くも感じるドラマチックの塩梅が結果よくてリアルなフィクションだった。目で見て分かる悲惨な戦場とはまた違う冷酷な戦場の実態。
俳優を本業にしない各業界人が佇む姿は何とも不思議な魅力がある。
