画が美しい映画は数あれど、戦争映画という枠組みの中ではこの作品が最も美しいのではないかと思う。
なにより教授の音楽が素晴らしくてあのメロディを聴くだけでも涙が溢れてしまいそうになるのに、映画を観るとヨノイ大尉の複雑な心境を表しているようでより心に響いた。
派手な戦闘シーンもなくここまで戦争の悲惨さ、人という生き物の業の深さを描けるのは本当に凄いと思う。愛したいけど愛せない、同じ人であるのにどうして殺し合い、歪み合わなければならないのか、ロレンスの「あなたは、自分を正しいと思った者たちの犠牲者なのだ。かつてあなたやヨノイが自分たちを絶対的に正しいと信じていたように。もちろん、正しい者など存在しないというのが真実だ」
という台詞に全てが込められている気がする。
