Pandano

愛のコリーダ 修復版のPandanoのレビュー・感想・評価

愛のコリーダ 修復版(1976年製作の映画)
4.0
確かに問題作。でも、人間がこの営みをしなくなったら人類滅亡🙀

映画としてはモザイク下で行われていることに驚き、気を取られ過ぎて全体を捉えられない…気もした。
美しいセット、情緒豊かな三木稔の音、一枚の絵のようなアングル。これが噂の本番…⁈と気にせずに、仮にハードコア仕立てにしなくても十分に心に残る映画であることに違いない。
でも、大島渚たちは敢えて挑んだ、その真意はどこにあるのか。おとなしく平均点の物を作ることには意義が感じられなかったのか。

この破滅に向かっていく二人の強烈さは、一種の怪奇現象の様相。
いつも誰かに見られている行為。
年季の入った姉さん芸者に手を出すくだりや、特に芸者さん達が新米芸者を弄ぶ、あそこはコメディとしか思えなかったけど👘

室内で進んでいく話が、何回か外に出るときが印象的。鉄道の駅、軍人とすれ違う、定の先生と会う時の晴れた空。
ふっと《あ、この二人は生きているんだ》と思い返す。

藤竜也さんの「いいよ、おまえの好きなようにしろよ」という言い方、最強。よくぞこの役を引き受けてくださった。
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