多様性と民主主義がどんなふうにできあがっていくのかについて。あるいは対話を諦めないこと、受け入れられないと思っても相手の言葉を最後まで聞くこと、そしてまた自らも発信するということについて。
それらのことを実践するには他者に対するリスペクトが欠かせなくて、というかその人の知性や想像力に対する信頼みたいなものを持ってないとできない。この映画に映る“Bostonians”はみんなその信頼関係のうえに立っている感じがあった。
こういう大人たちだっているという事実はすごくわたしを安心させるが、はたして日本でこんな市民がいったいどれほどいるというのか? とはいえ、そんなことをぶつぶつ言ってないでとにかくまずは「相手の靴を履いてみる」しかない、よね。
ワイズマン、もう91歳の大老だけどまだまだ元気に映画撮ってほしい。