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ボストン市庁舎のmomのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
4.5
みんなが集中して聞き続けられる話術。
話し下手な人は、「えー…」とか「あー…」とかを多用して聞きづらく退屈する。
この映画に出ている人たちは、聞きたい情報を無駄なく話してくれる。
聞き終わったあと若干疲労感はあるが笑

市長の声は心に届く。
市長本人が数々の問題を肌で感じ、自らの問題として語っているからだ。
決して表面的ではないし、口だけでもない。

急務な政策、将来的な政策、仕事は山積みだ。

予算はあればあるほど、要らない所に流れていく。
学校に予算を投じれば、自分に子供がいなくても、その若者たちが大人になり、自分の住む地域を住み良いものにしてくれるだろう。
素晴らしい投資ではないか。

最近は批判するための批判が目立つ。
まずは市民のために尽力する人たちに敬意を払い、政治の仕組みを理解し、自分の意見を出すこと。

市民の願いは、話しを聞いてもらいたいということ。
話しを聞いてもらえたか、伝わっているか、それが重要。
市政が市民の声に耳を傾ける。
情報をみんなで共有する。

市民も行政に任せきりではいけない。
自分の生活は自分で守らなくてはいけない。
みんなが協力し、力を合わせることで『街』が出来る。

市民の一人一人が大なり小なり問題を抱えている。
そしてそれが1つとは限らない。
職員全員が寝る間を惜しんでケアしても、全てが解決することはない。

日本の市政も、市民を交えた活動や交流などを積極的に公開するといいと思うが、やはり個人情報などが問題になるだろうか。
そう考えてみると、この映画にはモザイクのかかっている人がいない。
これは凄いことではないか。

市の会議のシーンで気付いたのは、出席者が各々マイボトルでドリンクを持ち込んでいたことだ。
以前息子たちの学校でPTA役員をしていたとき、会議をするたびに飲み物とお菓子(紙コップ紙皿付き)が提供されていた。
そのお金は子供たちのために集めているはずのPTA会費。
話し合い、私達の代でその悪習慣をやめた。
こういう小さい気付き、改革が必要なんだと思う。

全ての人に手が行き届いているわけではないだろうが、この街は動いている、生きていると感じる。
日本は人種問題が少ない分、もっと大きなことが出来ると思うんだが…。

批判することが格好いいと思っている人がいる。
そのただの悪口は、物事の解決に役立つのか、よく考えてほしい。
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