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ボストン市庁舎のlorcaのレビュー・感想・評価

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)
3.6
セレモニーとかでの市長のスピーチは類型的なデモクラシー論でうーんって感じだけど、コールセンターのカットアップはやっぱいい。

ビルや店を静物に見立て、そこに風になびく樹木や流れる雲といった流動物を入れ込む固定ショットの冴えはまさにワイズマン節。

基礎自治体のドキュメンタリーなら、クレーマー市民とお役所仕事の衝突が絵になるはずなのに、あんまない。そういう下世話さは避けている。

そんな中では、大麻ショップ?を出店したい事業者と地域の会合の紛糾がハイライトかな。とはいえ、ここでも市役所はあくまでバイプレーヤーなんだけど。

委員会とかで熱意ある担当者が能弁に語るシーンはいかにもワイズマンなんだけど、なんとなく西洋っぽい行政観を感じる。状況の説明がないので文脈が分からず、字幕を追うだけではけっこうつらい。

それよりも、道路の補修作業とか消防の出動なんかのブルーカラー系現場の「運動」の方が面白い。
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