剣々

マルコム&マリーの剣々のレビュー・感想・評価

マルコム&マリー(2021年製作の映画)
3.8
些細なすれ違い、根深い問題

映画監督のマルコムとその恋人マリーはプレミア上映会から帰宅した
作品を絶賛され上機嫌のマルコムだったが、マリーはどこか苛立ちを隠せていない
どうやらマルコムはスピーチで彼女への感謝を言い忘れたらしい
そしてその晩不穏な空気は漂い続けることに…

コロナ禍真っ只中の様々な制約がある中で作られた会話劇
出演するのはゼンデイヤとジョン・デヴィッド・ワシントンの2人のみ
舞台もマルコムの住む豪邸とその裏庭のみ
とかなり限られた演者やロケーションで撮影された作品ですね

クローズドな舞台での会話劇というと変わり映えしなさそうな風に思えますがそこに工夫が張り巡らされてますね
舞台は1つでも様々な視点から撮影されたり、登場人物も家の中を動き回ったりと視覚的にも中々飽きさせない撮り方がお見事です!
各場面を象徴する様な選曲やモノクロで表現された映像もバッチリ決まってますね
常に怒鳴り合い言いあってるわけではなく、気持ちが通じて愛を確認し合う時もあるのでご安心を

マルコムの台詞の中でには製作者としての視点のものがありなかなか興味深いです
黒人(マイノリティ)の映画は何でも政治的にされるや謎を嫌う批評者は全て作中に説明を求めるとか、これらが的外れな批評を生んでるとの主張ですね
説明の多い映画を禁止しろとも言ってましたよ笑
そんな内容を感情任せに熱弁するマルコムには少しクスリとしつつ、自分の感想も似た様な感じなんだろうなとちょっと考えてみたり……

些細なきっかけから根本的な問題に直面したカップルの一晩でした



【リマインド】
まだ観てないん会のリマインドです
次回は下記を予定してます
日時:10/22(土) 21:00
作品:ライトハウス
興味ある方のご参加お待ちしております
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