ヘラルドスクエア

マルコム&マリーのヘラルドスクエアのレビュー・感想・評価

マルコム&マリー(2021年製作の映画)
2.5
シャープなモノクロ映像が美しい。
ゼンデイヤさんとジョン デヴィッド ワシントンさんという旬な俳優二人の丁々はっしを堪能できます。
ゼンデイヤさんの10頭身以上あるスタイルをフィルムに焼き付けただけでも価値があります。

作品は、深夜に夜通し罵り合う夫婦というインディーズテイストなものです。
カメラワークなどカサベテス監督の影響は大きいですね。
あとマイク ニコルズ監督『バージニア ウルフなんかこわくない』を下敷きにしていると思われます。

作中では『ドゥ ザ ライト シング』が乗り越えられない作品として語られたり、アンジェラ デイヴィスさんやバリー ジェンキンス監督を認める一方で、LAタイムスの白人女!と何度も差別的悪態をつきます。
黒人の台詞として、脚本は正しいのでしょう。
しかし脚本も務めたサム レヴィンソン監督は、巨匠バリー レヴィンソン監督を父に持ち、その作風も含めて、筋金入りのホワイトエスタブリッシュメントです。
そちら側の人間が分かったように、これら台詞を黒人に言わせことには、ひねりがある以上に違和感を感じます。