蟻子

AK vs AKの蟻子のレビュー・感想・評価

AK vs AK(2020年製作の映画)
3.6
俳優が本人役で登場している点など本作の面白みを堪能できなかった自分を悔やみつつも、自分にはハマらなかったということは素直に認めたいと思う。

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とあるYouTuberさんがオススメしていたこと(を知った夫からの勧め)により視聴。Filmarksのレビュー160点ほど、少ないですね。それは勿体ない。もっと広まって評価されればいいと思います。

しかしながら、私にはいまいちハマらなかったです。


ストーリーや役者さんの演技の点で見れば、斬新さがあったと思うし、かなり良作だと言えるのかもしれません。
しかし終盤まで結構単調に感じたのと、映像に見栄えがしなかったのが個人的には興味を引かれないポイントになってしまいました。

ほぼ全編通して見づらい手ブレ映像な上、ずっと夜の街なのであまり変化が無い。手持ちカメラの臨場感が必要なのは理屈では分かっているんですが、どうしても「不快」には感じるわけで…。

私がビジュアルに引っ張られるタチというか、漫画でも絵柄が好きなら一定以上面白いと感じる人間なので、これは個人的な問題なのかもしれません。



***以下はネタバレを含みますので注意です***

「お前の娘を誘拐した!その様子を撮って映画にする!」という話の筋にもワクワクするものが無く…というのも、監督であるアヌラーグ・カシャプのキャラクターが軽いというかサイコっぽすぎてなんだか誘拐事件の緊迫感があまり感じられず、好きになれませんでした。
前半から引き込まれるものがなく、結構しんどかったです。

途中大の大人がクリスマスツリーを倒したりと派手に喧嘩しているのはちょっと面白かったのですが、もっと見応えある大人の喧嘩を期待してしまっていたため、やはり全体的に満足は出来なかったです。

終盤にさしかかり「俺のシナリオ通りにいってない!?」という展開になってからは、どういう結末になるのか引き込まれるものがありましたし、最終的なオチの付け方も面白かったと思います。


しかしインド映画耐性も無ければインド俳優も監督も全く知らないため、この映画の大きな見所である『俳優が本人役で出ている』いう点を堪能できず、エンドロールでは置いてけぼり感が半端なかったです。
これは不勉強な自分のせいでもあるのですが、せっかくの見所を楽しめなかったのは残念でした。


とはいえ、アニル・カプールが完全に思惑通りに物事を進め、自らの演技によって監督も我々視聴者も全ての人を騙して最終的に主演男優賞を獲るという、役者としての完全勝利っぷりにはシビれましたし、ラストで復讐を誓うカシャプのイカれっぷりも鳥肌モノでしたし、そこは間違いなく面白かったです!

あと2人のAKの顔が左右に合わさって1人の人間になってるポスターが最高にクールだなと思いました。
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