チッコーネ

囁く怨霊のチッコーネのレビュー・感想・評価

囁く怨霊(2000年製作の映画)
2.5
画面サイズは4:3のままだし、ロケオンリーで何より照明が暗いと、低予算モロ出しなのだが(OV作品なのだろうか?)、どんよりとした川崎工業地帯のイメージカット(中でもフレアスタックは執拗に挿入)、女性の異変を背中で簡潔に表現する取り調べ場面、そして細やかな編集と、センスは決して悪くない。
ただ脚本の描き込みが足りないのは如何ともしがたく、ヒロインを悩ませていた無言電話/迷惑郵便と本編のリンクは遂になし。
また殺人事件の黒幕となる人物が異常に観えず、動機も曖昧模糊としていた。

華奢な三輪ひとみは本作でも存在感あり。
彼女の上司役・五代高之はどこか沖雅也を彷彿とさせる甘いマスクで、ロマンポルノから戦隊シリーズまで、多彩に活躍した俳優。
さらにアパートの大家役は『ハレンチ学園』シリーズで人気を博した児島美ゆき(五代とも、本作では経年劣化した姿で登場)。