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ヒトラー 〜最期の12日間〜 エクステンデッド・エディションのaikidoのレビュー・感想・評価

3.0
面白いや面白くないと判別出来る映画じゃなく、全編に漂う絶望感と崩壊に向け終始淡々と進んでいく構成がドキュメンタリーを観ているような感覚にさせられる作品でした。
また、ヒトラーが行った非道で非人道的行為が描かれず秘書の目線から作戦やユダヤ人に対する狂気の面と女性や部下には優しい両面を描き、彼の内面を丁寧に描いており、彼の本性や人間性をここまで描いた映画はなかったと思うので、今までのナチス映画とは全く違う印象を受けました。

若かったというのは言い訳にならない。目を見開いていれば気づけたのだという秘書の言葉には重みがあり、何も知らなかった彼女もヒトラーの犠牲者なのかなと思いました。

ブルーノ・ガンツのヒトラーにしか見えない風貌とその演技力は圧巻で、ドキュメンタリーの要素を感じてしまうのは、本物と錯覚するようなヒトラーが憑依した演技による所が大きいので、彼の演技は本当に素晴らしいなと思いました。

非常に長い作品ですが、事実を知る為にも観るべき映画だなと思いました。
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