デビッド・バーンを知らない人でも、じゅうぶん楽しめる作品だ。自分には、元「トーキング・ヘッズ」という印象の強いデビッド・バーンだが、この作品は、彼が2018年に発表したアルバム「アメリカン・ユートピア」を原案にしたブロードウェイのショーを、スパイク・リー監督が映画として再構築したものだ。シンプルであるがゆえにメッセージ性の強いデビッド・バーンのショーを、スパイク・リー監督が見事に映像へと移し替えている。そればかりでなく、そこにはリー監督の意識を刷り込まれており、冒頭から意識を覚醒させられる。配信やDVDになっても、これは何度でも観られる作品でもある。
