これは当時映画館で観なきゃいけなかった作品だし、何なら本物のライブをいつかは観たい作品だった…。
この作品の評判を聞いて「STOP MAKING SENSE」も予習してたのに、それが今頃になって観ることになってしまい、自分のフットワークの重さに幻滅です。
鎖のカーテンのようなもので客席側以外の三方が仕切られ、そのステージと楽器と人、ほぼそれのみなのに観たことのない演出になっているのがすごい。
デヴィッド・バーン含めた12人が前後に動くとチェス盤みたいについてくる照明や、デヴィッド・バーンらしい不思議なダンス、全楽器ワイヤレスなど。すごいことやだてるけどシンプル。でもアイデアや創意工夫が多分に盛り込まれていて、しかも緻密に計算されている。
それと、訴えたいメッセージがBlack Lives Matterのことや投票率の低さなど政治的なものが含まれるにも関わらず、何も考えなくても勝手に体が動いて楽しめる、まさに「STOP MAKING SENSE」なエンターテイメントになっているところ。
こういった対極にあるものが両立しているすごさ。タイトルロゴのUTOPIAが逆さまになっているのは皮肉と共にそういう意味があるのかも知れない。
特に後半にある「Hell You Talmbout」は鳥肌もの。この歌自体も知らなかったけど、何度も巻き戻して見てしまった。
ステージと観客の一体感って言葉が一番しっくりくるライブだった。何というか観客が前のめりになっている雰囲気とか、最後演者が会場をぐるっと回る演出とかも含め、ここに居れた人が純粋に羨ましいと感じるライブ。
また映画館でかかることがあれば、観に行きたいな。最高の音響に没入してこの世界に浸りたい!
トーキング・ヘッズを知らない人でも全然楽しめます!デヴィッド・バーンをただのおじさん(おじいさん?)と思ってても、騙されたと思って見て頂けたらすごさが分かると思います!