ダイゴロウ

アメリカン・ユートピアのダイゴロウのレビュー・感想・評価

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)
3.8
元トーキング・ヘッズのボーカル、デヴィッド・バーンのライブステージをスパイク・リー監督が映画化。

広い舞台のなかで、統一された裸足の衣装と配線のないマーチングバンド形式での演奏による自由な移動。ライブというよりもショーと呼ぶに相応しい内容となっている。

まさに観たことがない形式のステージではあるが、ジョナサン・デミ監督のトーキング・ヘッズのライブ映画『ストップ・メイキング・センス』ほどの興奮を覚えることは出来なかったのが正直なところである。(より洗練されたステージではあるが『ストップ・メイキング・センス』の残り時間を考えていないかのようながむしゃらな躍動感は鳴りを潜めていた。)

なお、本作は「多人種及び多様性の尊重」と「投票に行こう」という明確で、ある種政治的メッセージを感じる作品となっている。
それだけトランプの台頭が彼に危機感を与えていたのだと思う。
ジャネール・モネイの「Hell You Talmbout」を白人であるデヴィッド・バーンが唄うシーンは本作のハイライトの一つであり、特に印象的な場面だったと思う。