イギリス南の都市ロンドン～北の都市エディンバラ間、1400kmを5日以内に往復する4年に一度開催の自転車イベントを描いたドキュメンタリー映画。
軽快な音楽に合わせて雄大な自然の中を自転車で走っていく姿が非常に美しくて印象的。ロードバイクに乗ったことのない人からすれば、え～、なんか楽しそう！私も走ってみた～い！みたいなことを思ったりするかもしれない。が、私は知っている。私のロングライドの最高走行距離は琵琶湖の北湖1周150km。走っていたときに考えていたことは、帰りたいということと、そしてすごく帰りたいということだけだ。計算上、1日平均280km走らなければならないレース。出場者はみな私の倍以上に帰りたいと考えていたであろうことは想像に難くない。
それでもこんなクレイジーなイベントに参加してしまう理由は、走り終わった後にくる充実感を得るため、そしてサイクリストがみんなドMだからに他ならない。レース中、このイベントについて好意的な意見を言う参加者は誰もいない。最後の最後までいない。てか、みんな不満しか言ってない。でも、たぶん、彼らはまた参加する。ただペダルを回すという単純作業によって、計り知れないほどの充実感を得ることができるからだ。そしてドＭだからだ。
自転車は年齢に関係なく誰にでも乗れる。特別な技術も必要ない、ただペダルを回すだけ。そして思っているよりも素晴らしい経験と思い出をくれる。この映画はサイクリストにはもちろんおすすめだが、そうじゃない人でもなんか謎にモチベを上げることができるのでおすすめしたい映画。日本人参加者がラストを飾るのもグッドだった。
