よしまる

アクアマン/失われた王国のよしまるのレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.6
ワイルドでいこう!の爆音とともにハーレーのカスタムチョッパーを駈るジェイソンモモア!
彼はハーレーダビッドソンのアンバサダーにも就任していたし、昨年のワイスピ最新作でもハーレーにまたがった。要するにめちゃくちゃお似合いだぜってこと。

前作で悪い王様の弟を監禁して良い王様に君臨したアクアマンだったが、子煩悩で陸地に上がりっきりで王国のことなどそっちのけ。そんなときにアトランティスを破壊しようと企む者が現れ、、というのが今回のお話。

前作公開後に即、続編製作が公式に発表されてから早5年。コロナやストライキなど様々な外的要因もあるとはいえ、DCを取り巻く環境も変わり、今作はDCEU最終作、しかも消化試合となった。

元々アクアマンは壮大なサーガや後に繋がる作品への伏線などに縛られることなく、単体としての魅力に溢れた作品だったのだけれど、もうこれで終わりかと思うと逆に寂しさばかりが募る。

なにしろ今回の続編、ことごとく既視感の強い作風で、他の海にいた古代パワーによる侵略はワカンダフォーエバー丸かぶりだし、地上界への開国もワカンダの二番煎じ、兄弟喧嘩からの共闘はソーandロキ、ソニック攻撃はヴェノム2のシュリーク、などなどキリがなく、まあジャバザハットについてはご愛嬌というところか。

前作で圧倒された水の表現についてもアバター2を観た後だと、今作はさほど新鮮味も感じられず。
前作のほうがアドベンチャー感があったのはやはり最初のアドバンテージ、やったもん勝ちというやつかもしれないけれど、それにしてもアトランティス世界の様々な種族はあんまり出てこないし、地上世界との絡みも少なく、あっちゃこっちゃ行った割には、こじんまりとした世界観に収まってしまって残念だった。

今回は家族愛、兄弟愛がテーマというのはわかる。けれども広大な海の神秘的な世界観、かつてないような映像美、という点では前作超えとはならず、アクションも含め凡庸な作品に終わってしまった。

蛇足ながら、モモアの肉体美もウロコスーツに覆われっぱなしでこれまた楽しみ半減。機動性を考えると裸より良いのだろうけれど、じゃあ胸元を開いたメラの衣装はどうなのよ?というのはさておいても諸事情によりメラの出番そのものが激減したことも、可愛い息子の能力も生かされずじまいだったことも、なんかいろいろと惜しいことばかりな最終作となった気がする。

DCEUの最後の最後の決めゼリフがMCUの最初の作品と同じというのは一体どういうことだろう。まさか偶然でもあるまいし、ジョークにしては棘がありすぎる笑

まあ色々書いてみたものの、このアクアマン、ジェームズ・ガンにバトンタッチした新生DCにもきっと何らかの形で関わってくれるだろう。
モモアやガルガドットといった類まれなヒーローたちの、誰に代わりが務まるというのだろうか。