somaddesign

アクアマン/失われた王国のsomaddesignのレビュー・感想・評価

アクアマン/失われた王国(2023年製作の映画)
3.0
DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)13作目にして最終作。

泥沼離婚騒動にもめげずアンバー・ハードがメラ役続投。騒動の影響で出演シーンが大幅カットされる噂もあったけど、重要な役どころとあってか前作以上に出番が増えてた印象。(ジョニデとの離婚後に交際してたイーロン・マスクがスタジオにアンバーを降板させないよう直談判があったとの噂も…)

どうしてもあの騒動がチラついて、アーサーと結婚するシークエンスにドキリとしちゃった。
アーサーとメラは末長く幸せな家庭を築けるといいね。

前作以上に大味でバカっぽくて好き。
起きてることは世界を巻き込む大ピンチなのに、アーサーを筆頭に悲壮感が全然なくてベタベタなボケとズッコケに終始するので、度々何と戦っているのか分からなくなる。
ストーリーは平凡かつ勧善懲悪。驚くような展開や感動的なシーンはないけど、普通にボチボチ楽しくて好き。でっかいバッタとかクトゥルフ神話の邪神みたいな触手オバケ、鳥山明なメカメカ類……絵面はバカっぽいのに、ハリウッドのCG技術を持ってして映像化されるとなんとも愉快で面白かった。(SWオマージュか、偽ジャバ・ザ・ハットまでいたし)
ネット配信が始まったら、仕事終わりに家でビール片手にテキトーに見るのに丁度いい。3時間超の重厚で複雑な映画作品が多い一方で、これくらい振り切ったボンクラ映画こそ楽しみたい。




余談)
DCエクステンデッド・ユニバースからDCユニバースへの仕切り直しの真っ最中で、アンバー・ハードの泥沼離婚騒動……
終わりが決まったユニバース、会社から見限られたプロジェクトな上に、メインキャストの一人は映画どころじゃない。普通ならお蔵入りか製作中止もある得る状況で、どうにか普通に楽しめる品質の映画に仕上げてみせたジェームズ・ワン監督の手腕の見事さよ。(実際、完成間近と噂された「バッドガール」は2022年にお蔵入りになっちゃったし)常人であれば発狂しかねないとされる状況にあって、現場のモチベーションを下げずベストを尽くした。
撮影中もトラブル続きだったようで、2023年のVariety誌によればアンバー・ハードのセラピスト:ドン・ヒューズ博士が語ったところによると「ジェイソン・モモアが泥酔状態で撮影現場に現れ、ジョニー・デップのような格好をし、アンバーの降板を望んだ」とされる。DCの広報担当者は事実無根として否定し「ジェイソン・モモアは常にプロフェッショナルな態度で行動していました」とのこと。ワン監督についても「アンバーに声を荒げた」とされているが、同じく「ジェームズはキャストやスタッフに敬意を払い、撮影現場ではポジティブで協力的な環境づくりをする人として知られている」と反論。
ことほど左様に、混乱と混迷を極めた現場で負け戦の残務処理みたいな仕事でもベストを尽くしたワン監督。今作が『有害な職場環境である』との報道を受け、Empire誌のインタビューに「もっと禅の心を学ぶ必要があった」と答えた。一時は「倒れて集中治療室に送られた」という怪情報すら飛び交いファンを心配させたが、何はともあれワン監督はやり遂げた。エライ!👏

6本目
somaddesign

somaddesign