Kawaguchi

クライ・マッチョのKawaguchiのレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
4.2
クリント・イーストウッド版「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
「ワンス〜」では、69年のハリウッドを舞台に、「古き良き時代が終わり、取り残された人々と新しい時代に適用できた人」の物語でした。もちろん、取り残されたのは嫁殺しのクリフ(ブラッド・ピット)で、何とか適用したのが、リック(レオナルド・デカプリオ)です。ラストで新時代のハリウッドの象徴として、シャロンテートが門を開き、リックだけを招き入れます。

本作では、メキシコからアメリカのゲートを渡れたのは、ラフォのみであり、自らメキシコに留まったのは、クリント・イーストウッド演じるマイクです。

そして、あの村で助けてくれた女性は、映画の女神ですね。
イーストウッドは映画の神と会話するんです。
「強さ」というものは、脆いものだと。誇張していまうものだと。自分が自分でいれなくなるんだと。しかし、私は老いていく先に、「無知」だと気付けたことが幸運だったと。

みんな思いましたよね、、!
イーストウッドのドキュメンタリーじゃん!!!

映画という文法を放棄し、
カメラもストーリーも適当、、、。
しかし、なぜかそこには豊かな「映画」があるんです。

これだけ、トキシックマスキュリニティ(有害な男性性)についての映画が作られていく中で、全てにおいて逆行し、アメリカからメキシコへ移住してしまうとは。現在のアメリカには、イーストウッドの居場所なんてないんだ。

ベストとはいいませんが、面白かったです。
不思議な映画でした。
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