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クライ・マッチョの福福吉吉のレビュー・感想・評価

クライ・マッチョ(2021年製作の映画)
3.5
◆あらすじ◆
マイク・マイロはかつてロデオのスターだったが、今では老いて孤独に暮らしていた。ある日、元雇い主のハワードからメキシコに住む息子のラファエルを連れて帰ってくるよう依頼される。マイクはメキシコに行き、ラファエルを発見して共にハワードのもとへ行こうとするが、ハワードの元妻のレタは警察に息子を誘拐されたと訴え、マイクたちは逃亡を余儀なくされる。

◆感想◆
孤独な老後を過ごすマイクと親の愛情を知らないラファエルが逃亡しながら心を通わせていくシンプルなストーリーとなっていて、2人の関係の変化が楽しい作品です。

マイク・マイロ(クリント・イーストウッド)はぶっきらぼうで愛想の悪い老人であり、クリント・イーストウッドの典型と言えるキャラクターになっていました。それでもハワードに恩があるため、ラファエルを連れ戻す依頼を受けており、義理堅い性格でもあります。

ラファエル(エドゥアルド・ミネット)は幼い頃に母のレタに引き取られますが、レタから虐待を受けており、家を出てストリートチルドレンとして生きています。父ハワードが会いたいという言葉に応じてマイクについていきます。まだ13歳ということもあり、父への関心があったのだと思いました。

マイクとラファエルの逃亡劇は追われる身でありながら、緊迫感が少なく、2人のほのぼのとした雰囲気が妙に楽しかったです。メキシコで言葉の分からないマイクがラファエルに頼る関係になっていてそれがまるで親子のように見えました。マイクとラファエルが対等の関係を形成していて良かったです。

また、途中で出会った女性のマルタがとても良い人でマイクたちをずっと匿ってくれます。観ていてもうここで最後まで一緒にいれば良いと思うぐらい、素敵な女性でした。

ラストはもう少しラファエルの心情の変化を時間をつかって描いてほしかったかなと思いました。

老人と子供の中で友情、信頼、絆が生まれる様子がとても微笑ましい作品でした。観て気持ち良かったです。

鑑賞日:2024年3月30日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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