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レミニセンスのniのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
4.5
日本の広告の「全世界が渇望する、ハリウッド超大作」は確かに詐欺。パンフレットの監督のインタビューにもそんなにお金は無かったから大変だったと言ったことが書いてあるのにどうしてそんな嘘を宣伝文句にしてしまったのか、、本当にこれは酷いと思う。確かにハリウッド超大作と思ってみると期待を裏切られたような気がしてしまうと思う。今作に限らず、この誤解を生みまくる日本の広告、いい加減どうにかして欲しい。
残念だなって思う点もあったけど個人的には好きだった。



以下ネタバレ含む感想

私も広告に扇動されてハリウッド超大作と思ってたから、思ってたのと違うと感じてしまったのだけど、普通にこの作品、好きだった。SFサスペンスでも確かにあるけど、ドラマ要素も強かったから良かった。と同時に難解な作品だと思う。一回見ただけじゃ理解しきれない。
メイのキャラクターがとても好きだった。
途中まではまた年上男と若い女の恋愛映画か…女性監督なのに尚更残念…と感じていたけど、途中でそれは余り気にならなくなった。メイという人物がとても深かったから。メイを見ていたら、ラストナイトインソーホーのサンディを思い出した。一見とても美しくて、完璧で、魅力的な人物が実は弱さ、暗い面を抱えている。誰からの視点なのかによって、違う見え方をするのが面白かった。ラストナイト~のサンディと共通して言えることは、どちらも社会の犠牲者であることだなと思う。この作品ではそんな彼女が結局自分を犠牲にするけれど、ラストナイト〜とは違って、悪い人物だと思わせる描写が無かったのがすごく良かった。
ラストはとても切ない。記憶が他人から見られるようにもしなったとしたら、人に見られたくないことだってもちろん誰にでもあると思うから、それは少し怖い。だけどこの作品では、記憶を通じて愛を伝えられるっていうのが美しいなと感じたし、
水没したマイアミという設定の必要性はあったのかは分からなかったし、主人公ニックがメイをあれだけ追いかける理由も弱かったのは残念だけど、結構好きな作品だった。
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