まーしー

レミニセンスのまーしーのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.0
舞台は海面上昇した近未来のマイアミ。
記憶の追体験することを生業にする主人公ニック(ヒュー・ジャックマン)は、置き忘れた鍵のありかを思い出したい女性メイ(レベッカ・ファーガソン)と出会う。やがて二人は恋に落ちるが、ある時、女性は忽然と姿を消した——。

失踪した女性メイの行方と正体を明らかにすることに力点を置いた本作。
人々の記憶を可視化しながら情報を集めていくところがユニーク。近未来SFならではの設定と言えよう。
しかし、謎解きのインパクトは弱め。女性メイの目的、動機にも弱さを感じた。
小難しい設定に対して、既視感あるミステリー要素——何ともいびつな構図。
世界観の奥深さを感じることができなかった一因だろう。

ドライランドに住む「地主」と称される人と、浸水した世界で暮らす一般市民。今より拡がった格差社会を表している。
近未来SFにこうした設定が多いのは、格差が拡がり続ける現代社会への警鐘や皮肉だろうか。

主演二人は美男美女で、目の保養にはなった。映像も美しいので、観て損はない作品だと思う。