うみぼうず

レミニセンスのうみぼうずのレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.0
SFノワール風で、アクションはかなり控えめ。めちゃくちゃ面白くなりそうな世界観を、一人の男の女々しさで包み込んでしまって非常にもったいないなぁという感想。超大作風B級映画かと。
予告見て映画館で観たいと思ってたけど、Filmarksの評価がイマイチだったので行かなかったのが正解だったな。
海面上昇した街並みはベネチアや『 ワンピース』のウォーターセブンのようで、しかもとても細やかに作り込まれていて海に飲み込まれている街並みや海面を走る海列車などワクワクする設定が盛りだくさん。

さらに人の記憶を呼び起こし3Dで見れる機器は面白く、『 マイノリティ・リポート』的な雰囲気を思わせる。さらにはポスター含めて『 インセプション』を彷彿とさせて…と色々盛り込み過ぎた結果 肝心のストーリーが弱めな印象。ラストシーン付近は何の違和感もなく、また驚きもなく受け止められるので衝撃は無い。

それより何より一人の女性を恥も外聞もなく、司法を無視して法を犯してまで追いかける説得力が足りないのかと。ノワール調の語り口もただただ女に逃げられた男の言い訳にしか聞こえず失笑。たぶん小説なら、それこそディックが書いていたらめちゃくちゃ面白い物語になったんだろうな。映画にするならあと30分増やしてでも物語の説得力を増やしてもらいたいのと、あの世界観をもっと活かしてもらいたい。
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