木蘭

レミニセンスの木蘭のレビュー・感想・評価

レミニセンス(2021年製作の映画)
3.8
 崩壊しかかった世界で繰り広げられるSFハードボイルド・ロマンス。

 ある殺人事件と記憶再生ポットで再現された人々の思い出の情景とが絡み合い、主人公の退役兵士でポット技師である主人公が陰謀に巻き込まれていく中で、鍵になるファムファタールに恋に落ち、惑わされながら、彼女と事件の真相を追う・・・という定番の物語。
 『ブレードランナー』とか『ダークシティ』みたいだなぁ・・・と。

 ハッキリ言ってジャンル物で、特に目新しい部分は無いのだが・・・逆に言えば、奇をてらわず定石を押さえた作りなので、パルプフィクションとして安心して楽しめる娯楽作。
 こういう映画はキャラクターやガジェットが、どれだけ魅力的なのかが大切なのだが、水準には達していると思う。

 観ながら、フィルップ・K・ディックが原作なのかな・・・なんて思ったが、そんな事は無かった。
 記憶なんて切り取り方で物語は違って見える・・・というのがミステリーになっているんだが、ディックが原作なら・・・記憶は曖昧で、いくらでも作り替える事が出来る・・・などと、もっと複雑で二転三転する話になっていそう。
 クライマックスもご都合主義と言いたくなるほどストレートに話が進むけど、それはそれで感動した。

 レベッカ・ファーガソン目当てで観ておいてなんだけど(大変に眼福でした!)、ファムファタール役の女優がもっと薄幸そうな人だったら、観終わってから半日はメソメソしたんだろうな・・・。
 ヒュー・ジャックマン演じる主人公の、女相棒に対する態度が格好付けているけどゲスくて、おいおい・・・お前さぁ・・・とは思いましたよ。
木蘭

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