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私たちの青春時代/思春期 彼女たちの選択のtetsuのレビュー・感想・評価

4.1
オンライン映画祭"マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル"にて鑑賞。
(本作を含む長編作品は、アマプラ、U-NEXTなどで配信中。)


[あらすじ]

大親友のアナイスとエマ。
それぞれの道を選び、異なる青春を経験していく彼女たちの激動の思春期。
13才から18歳までを追ったドキュメンタリー作品。


[感想]

今回のmyfffで言うなれば、『クエシパン~私たちの時代』と同じく、2人の女性が大人になっていく様子を描いた作品と言えるものの、個人的には、こちらの方が好みだった。

思春期の女性を追ったドキュメンタリー作品と言えば、アメリカのインディーズ作品『AllThisPanic』も興味深かった記憶があるが、"7人の3年間を78分間"に凝縮したそちらとは異なり、 本作では"2人の5年間を135分間"でまとめているため、より、主人公たちの人生に寄り添っている感覚は抱いた。

5年間という限られた時間の中でも、進路や家族関係といった内容だけでなく、『家が……』『母親が……』といった大事件が起こるため、ドキュメンタリーでありながらも、フィクションを越える人生のドラマを感じた。

また、とりわけ、印象に残ったのは、現地の学生たちの政治に対する関心を写し出していた点。

個人の生死や日常生活に深く関わった事件だったことも大きいかもしれないが、彼らが政治的思想に関して議論する様子は、日本社会に生きていると、ハッとさせられる場面でもあり、自身のあり方を見直すきっかけになった。

シスターフッド系の内容を期待すると、あくまで、2人の少女の思春期を同時進行で別個に描く作品のため、少し、肩透かしをくらう可能性はあるが、青春映画とドキュメンタリー映画が好きな人にはオススメしたい力作だった。
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