町蔵

私たちの青春時代/思春期 彼女たちの選択の町蔵のネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます


(2019年/135 分/カラー/デジタル/フランス語・日本語字幕)
監督:セバスチャン・リフシッツ
出演:アナイス、エマ

育った環境も、性格も、似ていない仲良しのアナイスとエマ。13 歳から18 歳、思春期まっただ中を生きる少女2 人の成長を追ったドキュメンタリー。まるでフィクションを見ているからのように彼女たちが「登場人物」として立ち上がっていき、一瞬たりとも目が離せなくなる。音楽はクレール・ドゥニ作品でもお馴染みのティンダースティックスが担当。2020年ルイ・デュリュック賞受賞。
「エマとアナイスの間で広がっていき、それによって少しずつ互いが距離を取ることになる差異、開きこそ、おそらく本作の最も美しく、そして最も神秘的な主題を構成しているだろう。それは社会構造だけではなく、若い女性たちが形作っていく彼女たちの人格そのものに属していて、可視化されず、形にもならない磁場がそこに広がっていくからだ。」(マチュー・マシュレ)

2人の少女の5年間のドキュメンタリーで、確かにリンクレイターと比較したくなるが、決定的に違うのはこちらはフランスの女の子2人という当たり前の事実。
バカンスに揺れ動く心は、ギヨームブラックの宝島を思い起こさせた。宴の後の静けさ、余韻の感慨。本作品は繰り返し見たいとは思わないが、必見作であり、浸っているだけでよい。
本監督は知らなかったが、今後も見てみたい。どうすればこんなドキュメンタリーが撮れるのか魔法のようでもある。
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