福福吉吉

エリザベス -狂気のオカルティズム-の福福吉吉のレビュー・感想・評価

3.5
◆あらすじ◆
2002年のアメリカで14歳のエリザベスが教祖を名乗る男に誘拐され、山中に連れ去られる。そこでは偽りの宗教にのめりこむ誘拐犯とその妻の狂信的な生活が待っていた。地獄のような生活の中でエリザベスは生き延びようとするのだが...。

◆感想◆
実話であり、エリザベス本人のインタビューを交えながら誘拐から虐待、そして脱出までをしっかり描いており、リアリティがあり過ぎて、観ていて心に突き刺さるものがありました。

誘拐犯のブライアンとその妻のワンダは教祖とその第一夫人として自分勝手な宗教を作り出して、己の私欲を満たすだけの怪物であり、14歳のエリザベスを誘拐して自分の第二夫人として強姦するブライアンとそれを煽るワンダの腐れ具合にムカつきが止まりませんでした。

誘拐されたエリザベスには足にワイヤーが結ばれ、ブライアンからの執拗な強姦とワンダからの虐待や強制労働をさせられる地獄のような日々が待っていました。14歳の少女に対してあまりにも鬼畜過ぎて私は愕然としました。

本作ではエリザベス本人がその場面ごとに当時の心境を述べており、これがリアリティを上乗せしていて、観ていてきつかったです。しかし、それと同時にエリザベスが生還することが分かっていることが救いになりました。

ストーリー後半になると、ブライアンとワンダの仲にも亀裂が入り始めます。所詮、偽物の宗教なので教祖としてやりたい放題のブライアンにワンダが嫌気をさすようになっていきます。それでもエリザベスの心身とも衰弱していて逃げ出せない状況が分かって、どうやって助かるのかとても気になりました。

誘拐から生還に至るまでのドキュメンタリーとして優れた作品となっていて、誘拐されて心身とも傷だらけになったエリザベスの幸せを願わずにはいられませんでした。観てよかったと思います。

鑑賞日:2024年4月11日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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