ちろる

ワーキング・ガールズのちろるのレビュー・感想・評価

ワーキング・ガールズ(2020年製作の映画)
3.7
逃げ場のない貧困、一向に楽にならない子育ての日々。
いつのまにかしかめっ面が板についていた。

掃き溜めのような不良が屯する町。
早く、早くここを脱したい。
この眉間のシワが無くなるように・・・

その一心でシングルマザーたちはとあるパーキングに集合して、とある場所へ向かう。

男が憎らしい、憎らしくて堪らないのに、男に媚びなければならない世界。
でも、時間も能力も限られた女にそうする以外にどんな術があるのか?

共通点は何もない3人の女たち。
ただ、明日を生きるために同じ場所に向かうだけ。
互いのことなんてどうでもいいと思ってきた。
なんとも言えない空気が漂うけれど、一人きりだったらとっくに壊れてたかもしれない心がどうにか救えるのは同じ境遇の仲間だった。
どうしようもできなかった、自分の行き止まりの場所なのに、家族よりも何よりも落ち着く居場所を見つけた。
客をバカにしたり下ネタで盛り上がるだけだった彼女たちの絆が変わっていって不思議な安堵感が生まれていく様子が愛おしい。
とっても重くて何も解決していないけど、最後のシーンは少し明るくて、どうかギリギリの彼女たちのこれからに幸あれと願っていました。
ちろる

ちろる