ふじこ

サイトレスのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

サイトレス(2020年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

お風呂に入りながら観たんだけど、洗顔やらパックやらで一時停止しながら 続きが気になる…てなっちゃう感じの映画だった。

ある日突然襲われてアシッドアタックをくらい盲目になってしまった元バイオリニストの女性。
病院で現状を知らされ、泣き嘆いた挙げ句に仕事で日本にいる弟と話して介護士の男性を手配して貰い、一先ずの住居としてマンションの一室を借りる…ってお話。


幸いな事に盲目になった事がないのだけれど、なんで一先ず別のマンションを借りる事になったんだっけ…?
いつも なんで?なんでだっけ?と思ったらメモした上で気にし続けたり早戻ししたりするんだけど、めっちゃ髪洗ってる最中だったから忘れちゃった。普通それまで生活していた部屋の方が憶えてない?家具の配置とか。

まぁ…この手のやつって大体突然現れた介護士が犯人だよなあって思いながらも、医者やら警察やら何やら訳アリっぽい元夫やら何度電話を掛けても繋がらない友達やら、怪しい隣人やら何やらがミスリードを仕掛けてくる。

一番良かったシーンは、何者かが部屋に押し入ってきた きっと自分の顔に薬品を掛けた奴っぽい…!あと隣の部屋の女性虐待されてない…?みたいな主張をしたのに警察には信じて貰えずに色々イヤになっちゃって、音声入力で遺書を書いた後にベランダから飛び降りるシーン。
その直後に防音室みたいなところで目覚めて、目が見えないから壁を触って探った後にベランダを登って戻ってくるところがピーク。
えっ…幻覚?死んだ後って防音室なの?とか思ってたら、本当に外壁が防音室だった。どうやら監禁されてる…?ここ本当はどこなの…?みたいなところ。めっちゃ怖い。
良いですねぇ!!のピーク。

だったんだけど…。
結局やっぱ介護士が犯人だったし、医者やら暴力振るってるっぽい隣人やら捜査に来た警察やらは全部この介護士の成り済ましだったっていう…。七変化どころじゃない、変装のプロじゃん…。気付かないものなのかなぁ。
介護士の口癖と言うか、癖みたいに壁やテーブルを拳でコンコン、てするところから見抜くんだけど。
声色や口調やらでは分からないかぁ…。今まで観たことある盲目の主人公ものだと別のところから察知してた気がするんだけど、盲目になりたてだし頼れる奴は介護士だけっぽい感じだったからなあ。

なんか昔父親から虐待されていて、3年位地下室に監禁されていたんだけど妹が気遣って通気孔から音楽を聴かせてくれていたのが主人公のバイオリン。で、君だけが僕の光だった…今度は僕が君の光に!とかいうトンデモ理論で盲目にした挙げ句、病院のシーンから全部一人芝居して信じ込ませていたって感じ。

途中で出てくる虐待されてるっぽい隣人の女性はこいつの妹で、罪悪感?的なもので兄貴の言う通りにしてたみたいだけども、結局主人公にも罪悪感を抱いて手助けしてくれて脱出。
ついでにこの介護士も、手に入れた毒物みたいなのを口に含んで噴射する方式で盲目にして置き去り。
どうなったのかは分からない。

主人公と介護士の妹はこのお金掛かってそうなでっかい倉庫みたいな所から外に出るわよ…!外の明かりピカーッ!ってところで終わり。

序盤~中盤までのワクワクと、後半の脱出劇となんか別種の感じのする…。前半の方は断然好みだったんだけど、後半はまぁ…そう…そうなんだ…みたいな…。
思わせ振りだった主人公の元夫やら連絡のつかない友人やら、通話する限り本物の弟だったっぽい弟の事とか、なんかイマイチよく分からんまま終わっちゃうんだよなぁ。どうやら元夫は悪人で、友人もそれに関係してる感はあったんだけど…弟は本物なのにどうやって騙したんだろう、介護士。
介護士の妹の存在もなかなか中途半端だし、キーアイテムっぽく登場したインコちゃんに至ってはどうなったんだよ…!と思って終わった。どうなったんだよ…あんなに可愛いのに…。

投身自殺しよ…→監禁されてる!?のところまでは間違いなく面白かったんだけども、主人公の細かい境遇がよく分からんのと、犯人の動機が共感し辛いと言うかアレなのと、妹の存在がもうちょっとなんとか出来なかったのとかとか、主に終盤に掛けてが本当に勿体なかった。中盤までのワクワクは本物だった。そんな映画だったかなぁ。
こんなしょーもない理由で盲目にさせられて本当に可哀想なんだけども、6ヶ月後新たにバイオリニストとして活動する主人公には強く生きて欲しい。
最後の最後、演奏また聴きにきたで……って客席にいそう!と思ったけどいなかった犯人がどうなったのか分からないのもちょっとモヤモヤするなって。
ふじこ

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