たま

ローズメイカー 奇跡のバラのたまのレビュー・感想・評価

4.0
パリのバガテル公園。
世界最高峰のバラ・コンクールが行われている。
これは映画館で見たかった…と思わせる色とりどりの美しい映像。

主人公エヴは、郊外で父から受け継いだ小さなバラ農園「ヴェルネ・バラ園」営んでいる。

かつては数々の賞に輝いてきたものの、数年前からは巨大企業に賞も顧客も奪われ倒産寸前に。

この状況を打破しようと、助手ヴェラはエヴに内緒で、格安で雇える職業訓練所から人手を補おうとする。

送られてきたのは全くの素人。
前科者の若者フレッド、定職に就けない中年サミール、内気で泣き虫な女の子ナデージュの3人。

そんな中、エヴはとんでもないことを思いつく。新種の交配に成功させ一発逆転を目指すというもの。
ただそれはライバルの大手企業に不法侵入して、そこにしかない種類の薔薇を盗まなければならない。

むむ、この映画はそんな映画なの。それに成功してハッピーエンドって、サスペンスともコメディとも取れるような展開になるの…?

でも、そんなに単純な映画でなくてホッとする。

自己中心的なエヴが、次第に訓練所から送られた3人とも心を開き成長していく。
フレッドの才能を見抜き支援もする。

親に見捨てられたフレッドが、両親の家に薔薇の花をもって現れた時の言葉に泣いた。
薔薇の花が美しく咲くまで、諦めずに丁寧ね育てた事を話し、別れを告げる。
フレットを見捨てた両親へのとても皮肉な言葉。

きっとエヴが心の支えになっていたから、両親と決別できたのだろう。

奇跡の薔薇はもっと身近に生まれるものなんだな。

それにしても、献身的な助手であるヴェラが少し不憫だった。エヴはこれからはもっとヴェラ大切にしてあげて下さい。
彼女がいなきゃ今頃はどうなっていたか…
たま

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