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クエシパン ~ 私たちの時代のtetsuのレビュー・感想・評価

3.8
オンライン映画祭"マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル"にて鑑賞。
(本作を含む長編作品は、アマプラ、U-NEXTなどで配信中。)


[あらすじ]

カナダのケベック州にあるインヌ族の居留地。
異なる家庭環境や、一族のアイデンティティに悩みながらも生きる2人の女性"ミクアンとシャニス"の物語。


[感想]

なんとなく、『フェアウェル』や『ミナリ』に似た雰囲気を感じるフランスの人間ドラマ。
(両作ともに本編未見なので、あくまで雰囲気という部分はご了承ください。笑)

幼少期に仲が良かった二人の女性が大きくなり、一方は進学、一方は母になるという変化を経て、成長していく物語のため、ある種、青春の終わりを描いた作品とも言えるかも。

問題アリな夫に悩まされながらも子供を育てるシャニスと、学内での恋愛経験を通し、自身のアイデンティティを突きつけられるミクアン。

2人の境遇が大きく異なるからこそ、それぞれの生き方が際立ち、経済格差がありながらも変わらない親交を深める関係性には、心地の良いものがありました。
(その点でいうと、現在公開中の『あの子は貴族』にも似た"シスターフッド"的な魅力があるのかも。)

ミクアンとシャニス、それぞれの物語における人間関係の描写や、後半のストーリー展開なども含め、総じて良作でありながらも、どことなく心に残らない印象で、個人的にはハマらなかった本作。

しかし、珍しい題材から知ることのなかったコミュニティを考えることが出来たのは良かったですし、観るタイミングや経験から、人によっては大切な一本にもなりえる作品だとは思ったので、気になるかたは、ぜひ、チェックしてもらいたいです。
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