rmhチョコがけ

クエシパン ~ 私たちの時代のrmhチョコがけのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

フランコフォニー月間ということで、ケベック州政府在日事務所からのツイートで観てみた作品。

面白かった。
ずっと気になっていたカナダの先住民と移民との関係が少し見えた。
やっぱりこういう問題あるよね。

ケベックの先住民族・インヌ族のミクアンとシャニスは居留地で暮らす幼馴染み同士。
ミクアンは高校で学び、休日に文章講座を受講するほどだが、シャニスは中退後に出産、暴力夫と共に暮らしている。
共にインヌ族としてのプライドを持ちながらも生き方の異なる2人。

ミクアンは白人の男の子に恋をしたことから、この居留地内に捕らわれた生き方から脱却し、自由に生きたいと強く思うようになる。
しかし、今まで支えになっていたはずのこの濃密な関係のコミュニティが、逆に足枷になる…家族はどうする?自分たちの土地を離れられる?…幼馴染みのシャニスは?

インヌ族の言葉に"自由"という意味の言葉はない。何故なら今まで"不自由"な目にあってこなかったから。
目から鱗だった。なるほど。確かに言語とは、名付ける必要がなければ存在しない。

結局1人でケベックシティーに学びに行くことを選択したミクアンの姿はカッコ良かった。ラストの、シャニスの生き方を書物にしたところも。
子供を産み続けるシャニスの生き方は、先住民族女性の情熱の証、生への執着だ。

土地を離れても、"プライドは、私たちの間にある"。
強く明るく逞しいインヌ族の女性・ミクアンとシャニスの友情物語。