砂色の風景、自然光、風に乱れる髪。
何も特別でない美しさが心地よい。
具体的に語りすぎない描かれ方も良かった。
田舎独特の、狭い世界に平然と在るちょっとずっと不快なあの感じや
本人不在で勝手にいがみ合う粗野な取り巻きをよそに、
夜を駆けてゆく2人の笑顔に胸がジュンとした。
ライトに照らされた2人は引き離されて、昼間は太陽の下で冴えない目で遠くを見ていた。なにを想っているんだろう。
不条理の真っ只中で絶望していた頃の自分と重ねて、私は何を思ってどう行動したかと思い返し、今の自分ならどうするだろうと考えた。