ヒカル

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのヒカルのレビュー・感想・評価

3.0
ミュージカルと歌モノは劇場で観ないと魅力半減と思ってるので可能な限り劇場で観てますが、本作の監督は「キャラクターが明確な理由もなしに、ただセリフを歌うだけのミュージカルにはしたくなかったんです。ミュージカルというより、歌のある映画のように感じていました」とミュージカルアンチな発言をしており、イラッとしつつパスするつもりでしたが、トマトが批評家83点と良さげで箱割が字幕多めでしたので大人向けの良作だろうと自分勝手に解釈して劇場へ。(字幕多めはいまひとつブレークしないシャラメ人気をデューン2へ向けて上げて行きたい映画産業の単なる願望の表れかも知れません。)


感想は良くできた話しで伏線回収もてんこ盛りで退屈はしないが、自分にはほぼ刺さるものも感動も無い作品でした。唯一あがったところは動物園からの一連のシーンで黒人の娘さんの歌唱力と映像の美しさにやられて少し目が潤みました。誰か知らない黒人の娘さんの歌をもっとフィーチャーしてくれれば自分のスコアはもう少しUPしてたかと思います。


この作品の最大に駄目なところティモシー・シャラメの下手ではないが万人を感動させるほどでは無い歌声に有ると思います。自分基準では歌が上手いが感動には至らないピーター・ディンクレイジやタロン・エジャトンよりも更に少し下と感じましたのでイケメン補正の効く女性陣しか堪能するのは難しいかと思いました。よってタロン・エジャトンのロケット・マンよりは高いスコアを付けれませんので3点としときます。


以下は少しネタバレでほぼ悪口なので、本作を好きな人は読まないでください。










・元トレンディ俳優のヒュー・グラントはパディントン2やD&Dでイケオジのクソ野郎という魅力的な役どころでしたが、本作では終始寒かったです。悪が魅力的でない作品には名作は無いと思ってますが、本作ではローワン・アトキンソンとヒュー・グラントという絶好の素材を活かしきれてない点もマイナスポイントです。ヒュー・グラントのイケオジ面を活かせ無いので有れば、ウンパ・ルンパはクソ真面目系(トミー・リー・ジョーンズ)かコメディ系(ジム・キャリー)か普通に小人症の俳優(ピーター・ディンクレイジ)で良かったかと。


・ミニチュアのチョコレート工場のシーンも良くできたギミックと造形でワクワクさせられましたが、本ちゃんのお店はもひとつの出来でした。作品中のCGの品質はシーンによってバラツキがあり、気持ちが冷める点でマイナスポイントでした。(ロストフライトはCGのショボさをシナリオとプロの仕事ぶりで帳消しにしてましたが、本作にはカバーするものが欠けていたかと思います。)


・重複しますが、悪が7.5人くらいいるのが本作の良くないところで途中に改心させながら真の巨悪を確立させて打ち倒すというシナリオでないとカタルシスは生まれないかと思います。まぁ、シャラメファンの女性とキッズ向けの映画にごちゃごちゃいう私が本当は最悪なのかもです。すみません。
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