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ウォンカとチョコレート工場のはじまりのunmのレビュー・感想・評価

4.2
下降を強いる地下の悪人と上昇する夢見るウォンカの運動が徹頭徹尾描かれている。ハシゴを使って少女と指切りをするアクションでもウォンカは梯子を登る。そして少女を助ける場面でも再びハシゴが描かれ約束が果たされる徹底さ。
画面奥で浮遊するシスターを警察官が運んだりとちょっとした部分も楽しい。
チョコレートを使い仲間を増やしていく過程では上下の運動は横方向の運動にかわり、最後の秘密の母からのメッセージが生きる。仲間の形成が描かれた末に、ラストは上昇するカメラとともにウォンカというファーストネームではなくファミリーネームが提示されるのが良い。
亡き母が理屈を超えて立ち現れる瞬間、正面からカメラに捉えられる母に対して、ウォンカも正面から捉えられてたらと思わなくもないが、母の消え方が魔法のような軽妙さがあるのが良かった。
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