ヤスマサ

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのヤスマサのレビュー・感想・評価

3.9
ロアルド・ダール原作の「チョコレート工場の秘密」の前日譚。
原作にはない話しなので、完全オリジナルのストーリーだ。
いつか母親と一緒にチョコレートの店を作ろうと夢見ていた若きウィリー・ウォンカ(ティモシー・シャラメ)が、一流のショコラティエが集まるといわれる街で奮闘する姿を描いたミュージカル・ファンタジー。

ウォンカがやってきたヨーロッパは、どこかの魅力的な街だ。
路面電車が走る中世から残る街並み然り、お店を持とうと立ったギャラリエは実に素敵な街角だ。
しかし、この街では夢見ることが許されず、街の人たちを魅了するショコラティエのウォンカは、チョコレートカルテルの3人組にとって目障りな存在だ。
ウォンカの才能を潰そうとカルテルに邪魔されながらも、世界一のチョコレート店を出すべくウォンカを駆り立てるのは、「すべては夢見ることから始まる」「だから夢を諦めないで」という母親の言葉で、この映画のテーマでもある。
それが金の紙に書かれているのが、憎い演出。
ウンパルンパとの出会いは、原作と少々矛盾する感じがあるが、ヒューグラント版ウンパルンパも悪くない。
あの踊りと歌は民族音楽に近い感じで、ティム・バートン版と同様、また違った感じで頭から離れなくなる。
ティム・バートン版も原作にオリジナルストーリーを加えているため、今作とは相入れない箇所が散見されるが、別物のオリジナル映画と捉えれば全く問題なく観れる。
夢見ることの大切さを楽しく表現しているが、工場が出来るまでが駆け足なのが少し残念。
ウォンカの生み出すチョコはどれも魅力的だが、「ホバーチョコ」と「ナイトライフ」と名付けられたチョコを食べてみたい。
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