すずす

ウォンカとチョコレート工場のはじまりのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

1971年制作の名作『夢のチョコレート工場』の前篇は(ロンドン風)都会にやって来たウォンカがショコラトリーを始めるまでを描いています。

以下は粗筋。

都会に来た世間知らずのウォンカは果実を買ったり、恵まれない子に渡したり、到着早々、全財産を無くしてしまいます。

凍るほどに寒い夜、親戚なオヤジに誘われた宿で、出世払い契約で一泊しますが、翌日、ウェルカムドリンク代、枕の利用料等と称したボッタクリ契約で、一生、この宿で洗濯をする羽目に。

しかし、チョコレート工場のカバンを持ったウォンカは同じ不当契約で拘束されている少女ヌードル等の仲間の信頼を勝ち取ります。そして、自分の役割を宿の飼い犬に押し付け、昼間に宿を抜け出し、チョコのゲリラ販売を始めます。ウォンカのチョコには秘密があり、彼が使うカカオはウンパランドで収穫された物で、それを取り返しにウンパルンパがウォンカを後を追っているのです。

街を牛耳るチョコレート店の3人は、警察署長に賄賂のチョコを渡し、取り締まりを開始。地下の排水道を使って逃げていたウォンカは遂に捕まってしまいます。
しかし、ヌードルと仲間たちの協力で、街を牛耳るチョコレート屋、警察署長、そして教会の神父の悪事を暴くために、脱出。
2人は帳簿のある金庫へ向かいます---------

世界観として使われているのは、ロアルド・ダールというより、ディケンズ的な世界観。時代設定的には得心しますが、今、ディケンズ的な勧善懲悪話を持ち出されても、私には余りピンと来ませんでした。

監督の起用など、女の子映画に仕立て上げたかった狙いは判らなくはないですが、少々、ピンボケしている気がします。

もう一点、旧作の『キャンディーマン』の様な心に残る歌も無かった気が… 無難で特長が薄い歌曲ばかりに感じました。
兼用されている『ウンパルンパ』だけじゃ、物足りません。ダンスの振り付けにも一工夫欲しかった…
小綺麗なだけで、メッセージは(協調性)と(夢の重要性)では、凡庸にしか思えません。
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