故ラチェットスタンク

ウォンカとチョコレート工場のはじまりの故ラチェットスタンクのレビュー・感想・評価

4.0
同時期に観た『ウィッシュ』より虚構への何かの仮託の仕方は今作の方が圧倒的に良かった。愚直に夢を語ることの美しさとリスクがちゃんと示されているし、そのリスクヘッジとなるガイドとサポートが丁寧かつアクティブに描かれるのも素敵だ。「道具化された夢を取り戻すこと」という着地とその導線も綺麗だし、何よりそれが圧倒的に豊かな表現で語られていくので少しも目が離せなかった。編集は流麗にアクションは華麗にビジュアルは可憐に、ともうお腹いっぱい!やりすぎハッピーエンドの過剰な甘さに少し鼻血が出て疲れたけど、とても良かったと思う。ティモシー・シャラメのハッタリの効いた演技が癖になってしまった。口上の読み上げ方が最高。

この後にあの捻くれウォンカになるのかと思うとちょっと何でやねんな感じはある。あとティム・バートン版のオリジンとして広告されてるのはちょっと宣伝ミス過ぎる。